長期ビジョン2015 & 中期経営計画2012説明会
「長期ビジョン2015 & 中期経営計画2012説明会」の主な質疑応答をテキストでご覧いただけます。
内容につきましては、ご理解いただきやすいよう部分的に加筆・修正をしております。
- キリン社とサントリー社が統合に向けた交渉を開始したが、そのような状況下、3年後のビール業界はどのように変化しているのか。
3年後のビール類市場は2009年比で3〜4%減少すると想定している。市場の成長が期待できない中、グローバルで勝ち残るためには、国内で価格競争をしていてはいけない。業界全体で収益性を向上させる方向に進むのではないか。
- 各セグメントの営業利益はどの程度増加するのか。
本年の着地が確定していないため2012年の具体的な数値設定ではなく、既存事業の事業毎の目指すべき平均成長率と利益率でその方向性を示している。仮に09年が計画通り着地し、目標とする成長率や利益率が達成されたとすると、各事業の増益額は、国内酒類で200億円、国内飲料で80億円、食品事業で20億円、国際事業で70億円程度を想定している。
- 本中計が達成され、グローバルプレーヤーと遜色ない利益率となった場合、買収の対象となる可能性があるが、買収されないための株価対策はあるのか。
グリーンメーラー的な買収者に対しては買収防衛策で対応する。一方でいかに投資家に長期保有していただくかを考える必要がある。成長を期待する投資家に対しては今回の中計で掲げているようにEBITDAの成長で応えていく。
- 中計達成に向けたリスクは何か。
最大のリスクは売上成長を果たせるかどうかである。そのためにも商品開発力と営業体制を強化していかなければならない。お客様や流通の変化に対応した組織・体制に変えていく。
- 限界利益率の向上により100億円以上の効率化を進めるとあるが、売上成長、コストダウンをどのように見ているのか。
売上については、発泡酒から新ジャンルへのシフトを見込んでいるがトータルではほぼ横ばいで想定しており限界利益への影響は軽微である。コストダウンについては、商品市況の下落などによる原材料コストの低減、グループ調達の推進、製造子会社の間接コスト低減などにより、100億円以上の効率化を目指していく。
- 国内飲料事業の利益率5%達成に向けて、売上成長、コストダウンをどのようにしていくのか。
売上については、過去3年間も業界平均を上回る伸び率を達成しており、今後の3年間も三ツ矢サイダーやワンダといった基幹ブランドを強化することで年率4%程度の成長を目指していく。利益については、ペットボトルの内製化などの収益構造改革や販促費の効率化などにより達成を目指す。
- 長期ビジョン、中期計画を策定する上で、どのような環境変化を想定したのか。
国際会計基準の導入、酒税改正、CO2排出量削減への取り組み、食の安全・安心の担保など、色々な環境変化を想定して今回の計画を策定した。
- 2015年に2〜2.5兆円の売上を達成するためには大きなM&Aが必要となるが、今回の中計達成後の2013年以降のM&Aを想定しているのか。
今中計の期間中もM&Aは模索していく。2012年の売上ガイドラインはあくまで既存事業の計画である。
- 国内酒類事業で250〜300億円のコストダウンを計画しているが、コストアップの想定はあるのか。
来年はビールの原材料であるアルミや麦芽などがコストダウンとなることが想定されるが、中長期的には世界全体でビールの需要が増加するため、一定のコストアップのリスクを織り込んでいる。
- 今後M&Aを進めていく上で、アピールしたいアサヒビールの強みは何か。
我々の強みは国内酒類事業の収益性の高さや生産・品質に関する技術である。また、中国で有力なパートナーがいることも強みの一つといえるのではないか。
- 国際事業の売上・利益の増加は酒類と飲料ではどちらが大きいか。
国際事業の中で3ヵ年の増収・増益幅が一番大きいのは、本年4月に子会社化したシュウェップス・オーストラリア社である。また、中国のビール事業や韓国の飲料事業でも黒字化を目指していく。トータルの増益幅としては飲料事業が大きくなる。
- 青島ビール社との今後の取り組みは。
青島ビール社との取り組みで最大の課題は、青島ビール社の成長を我々がどれだけサポートできるかである。中国ビール市場は青島ビールを中心として数社に集約が進んでおり、彼らの生産量増加に対して、安心・安全を担保しながら品質面やローコストオペレーション技術などのバックアップをしていきたい。また、青島ビールの製造受託などにより中国における既存のビール事業の早期黒字化にも取り組んでいく。
- M&Aで目指すべき方向性はコア事業である酒類・飲料事業か。それとも食品を含めた多角化を想定しているのか。
国内酒類だけでは成長が期待できないため、飲料や食品の分野でも事業基盤の拡大を目指したい。飲料、食品、海外で成長を確立するためにも、国内酒類事業は収益性を高めていかなければならない。
- ここ3年間ビール類が減少しているが、次期中計で計画以上にビール類の販売数量が減少した際には追加のコストダウン施策などはあるのか。
販売数量がある程度計画を下回っても、目標利益を確保できるように更なる効率化を進める。しかしながら、このままビールが下がり続けていいのかという課題はある。スーパードライの強みを更に強くし、伸長している新ジャンル市場においてもプレゼンスを高めなければならない。
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