平成20年(2008年)12月期 決算説明会
「平成20年(2008年)12月期 決算説明会」の主な質疑応答をテキストでご覧いただけます。
内容につきましては、ご理解いただきやすいよう部分的に加筆・修正をしております。
- 09年はビール類の販促費を増枠する予定だが、業界の競争環境は荒れる見込みなのか。
昨年の販促費は、削減ということではなく仕組みづくりによる効率化を図った。量販店や業務用でのガイドライン遵守やブランド力向上に伴う販促費比率の引き下げ、また、トータルコストの見直しも含めた総枠管理の仕組みを徹底した。今年も、同様の管理を継続していくが、各社共に市場がシュリンクする中、販促費を増枠し、結果として減益となるようなことはないと考える。業界全体が目先の数字を作るということではなく、ブランドを育成する方向で力を入れてくると考えている。
- アサヒ飲料社の09年営業利益見込みが90億となっているが、広告販促費を前年並みとする中、達成は可能なのか。
アサヒ飲料の昨年の主な減益要因は、販促費が計画以上に増加したこととアサヒカルピスビバレッジ社の固定費の増加ということになる。本年は、販促費のコントロール体制を強化することで効率的な活用に努める。またその他の固定費についても効率化を進め、売上とのバランスをとっていくことで増益を達成したい。飲料業界の競争は厳しさを増しているが、だからこそ業界内の動きも活発になることが予想される。その中で、当社も売上と利益のもう少し伸ばさないとグループ第2の柱にはなり得ない。強いブランドを育成しながら、経費のコントロールを強化していく。
- 過去のM&Aの貢献が計画通り進んでいない面もあるが、今回のシュウェップスオーストラリアと青島ビールへの出資は必要なのか。買収価格が高くないか。
市場が成熟している酒類事業をキャッシュカウとして、「食と健康」の分野での事業基盤拡大を図っている。シュウェップスオーストラリアは、成長マーケットの中で安定した利益成長が見込めるため買収を決めた。具体的な業績見通し等は算定中だが、将来の成長性を加味したものであり、当社の投資基準の範囲内での価格設定となる。青島ビールとの提携では、長年の中国ビール事業の懸案事項の解決につなげていく。現地の有力なパードナーと組み、様々なスキームを組み合わせることで売上と利益の拡大を図っていく。
- 中期的な中国ビール事業の位置づけはどうなるのか。将来的に青島ビールの出資比率を上げる可能性はあるのか。
中国で成長を目指すことは勿論だが、既存事業の収益改善を図ることも必要だ。煙台での青島ビールとの提携を発表しているが、今回の出資でそうしたスキームを他の地域でも展開することを検討していきたい。また、今後は青島ビールとの提携の中で、アサヒブランドの展開も強化していきたい。株式の追加取得については考えていない。
- 韓国飲料事業の収益改善のポイントは。生産拠点の統廃合効果はどの程度か。
昨年は、ウォン安によりさらに原材料コストが上がり、また、売上構成比が高い果汁飲料の価格転嫁が計画通りに進まず収益を圧迫した。今年は、製造・営業拠点の統廃合を進めることで、約10億円程度のコスト削減効果を見込んでいる。これをベースに営業プロセスの見直しや、サンキスト・ネスカフェのブランド育成に注力していく。
- 国内酒類事業の広告費が約50億円下がるが、支出の基準などはあるのか。
明確な基準を設けているわけではないが、広告インパクトの大小、媒体のミックス、出稿のタイミングなどから見直しを図っている。新商品発売によりブランド数は増えるが、こうした視点でブランド間のメリハリをつけてトータルの効率化を図っていく。
- 海外進出にどういった成果を求めているのか。何を最優先にして買収をするのか。
今後のグループの成長を考えた場合、海外事業の構成比は未だ小さい。日本のビール消費量は減少が見込まれるが、世界的には拡大していく。その中で、海外でも事業基盤を拡大するために投資を実行している。事業としては、やはりビールと飲料が中心であり、その中で、売上と利益が取れる地域と会社に出資していく方針である。
- 08年のビール事業では収益構造改革で成果をあげているが、09年に一番達成したいことは何か。
今年のビール事業では、市場全体が更にマイナスするリスクもある中で、ブランド強化による売上拡大にもこだわりたい。昨年成果をあげた機能系の発泡酒や新ジャンルの新商品を含め、市場が厳しくなる中、広告販促費の効率化を継続しながら、さらにブランド力を高める活動に注力していく。
- アサヒ飲料は、経費の使用のスキームをどう変えていくのか。
アサヒ飲料の減益は、量販手数料を含めた販促費の増加が大きい。この販促費のコントロールが非常に重要であり、今年は店舗やチェーン毎の経費管理体制を強化することなどで総額をコントロールしていく。
- 今年はD/Eレシオが0.7倍近くになるが、今後は新規のM&A案件が出てきた場合は、エクイティファイナンスの可能性はあるのか。
新規のエクイティファイナンスは考えていない。優良な投資案件によっては、D/Eレシオ1.2倍くらいまでは借入れする可能性はあるが、投資案件については慎重に検討していくことになる。
- 国内ビール会社は飲料事業を持っているが、その理由は何か。
当社の場合は、創業以来120年、三ツ矢ブランドとの歴史的な関係があるなど、情緒的なつながりも深いが、国内ビール市場の成長が見込めない中、飲料や食品薬品事業をグループ一体として手がけていくことは、生産効率や人的な交流面でもシナジーがあると考えている。
- 過去からのM&A案件も含めて、投資のリターンが最大化するタイミングとその規模は。
投資の回収期間は案件毎に異なるため一概には言えないが、次期中計では、EBITDAなどキャッシュベースでのリターンの最大化を目指して、収益計画を示しいく方針である。
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