第二次世界大戦の開戦前年、イギリスのジョージ6世は現エリザベス女王を率いて、フランスを表敬訪問しました。その際、ベルサイユ宮殿ガラスの間で晩餐会が催され、「コルトン・グランセィ1919」が振る舞われました。1938年8月15日付雑誌“LIFE”マガジンには、この晩餐会で現女王が“もう少しコルトンを・・・”と求めた、と掲載されています。
エリゼ宮殿で振る舞われたメニューの内容は、たびたび公開され、いつも話題になっています。もちろん「コルトン・グランセィ」と「コルトン・シャルルマーニュ」も、多くの重要なシーンに登場しています。1958年、ドゴール将軍はエリゼ宮殿に移ったまさにその日に「コルトン・グランセィ1947」を前大統領のコティ氏とともに空けたと伝えられています。
アメリカ合衆国大統領の多くは定期的にエリゼ宮殿でもてなされてきました。その際は必ずルイ・ラトゥール社の「シャンベルタン・エリティエ」や「コルトン・グランセィ」、そして「コルトン・シャルルマーニュ」を楽しみました。アイゼンハワー大統領もそのひとりで、2日間で2度もルイ・ラトゥールのワインを召し上がりました。
1976年、ジスカール・デスタン仏大統領は、アメリカを独立200周年記念の祝祭のため訪問しました。その際、彼はルイ・ラトゥール社の「シャンベルタン1966」を持参し、フランス大使館で催されたジェラルド・フォード大統領をお祝いするガラディナーに提供しています。
ニューヨークタイムズの2002年2月25日付記事は、小泉純一郎首相が、外務省の飯倉公館でブッシュ米国大統領と握手の写真を撮った後、ランチを共にし、その際、最高級の日本酒とルイ・ラトゥール社の「バタール・モンラッシェ1996」を楽しまれた、と報じました。