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ご当地の焼酎文化や歴史・雑学など!

焼酎まめ知識

焼酎の本格的な知識から、こぼれ話まで。
普段の一杯が、より豊かになる
「焼酎」にまつわる情報をご紹介します。

九州各地の焼酎文化
酒器の紹介

愉しみ方応用編

焼酎発祥の地とされる九州地方では、
どのように愉しまれているのでしょうか。
焼酎が愛されている土地ならではの飲み方や
ユニークな焼酎文化をご紹介しましょう。

鹿児島県

焼酎文化一日の仕事を終えての愉しみ
「だれやめ」

夕方、日も暮れてくる頃、鹿児島県人の間で合い言葉のように使われる言葉が「だれやめ」。「だれ」=「疲れる」、「やめ」=「止める」ことで、一日働いた後に晩酌や軽い飲み会を意味する言葉です。ロクヨン、もしくはゴーゴーから飲み始め、徐々に薄めていきながらゆっくりと焼酎を愉しみます。また、飲む焼酎の量はだいたいが二合まで。それ以上飲むことは「飲ん方(宴会)」となり、晩酌の「だれやめ」とは区別しているそうです。

焼酎文化酒席を盛り上げる遊び
「なんこ」

鹿児島県には、酒宴を盛り上げ、親睦を深める「なんこ」という遊びがあります。ある程度焼酎を飲んだ頃、なんこ盤を前にふたりが向き合います。お互いが3本のナンコ玉(10cmほどの棒)を後ろ手に隠し、気合いとともに右手を突き出し、相手がナンコ玉を何本持っているか、または双方合計の本数を言い当てるゲームです。
審判役が勝負を見守り、負けると盃の焼酎を飲むことに。また、勝った人が「花」と称される盃を受けることもあるそうです。慶長3年(1598年)、島津義弘が朝鮮から帰国した際に広めたと言われています。

酒器鹿児島生まれの酒器「ちょか」

「ちょか」は、平べったいボディに短い脚が3本ついた土瓶の一種。漢字では「茶家」もしくは「千代家」と書き、一説では琉球の「茶家(ちゃーかぁ)」がルーツとも言われています。独特の形は倒れないように、また、熱の伝わりを早くするためとも。
一般的に知られている「黒ぢょか」は、薩摩焼の黒い陶器ですが、より高級な白薩摩の「白ぢょか」もあります。

使い方

好みの割合で水と焼酎を入れ、数日寝かせて「前割り」を愉しみます。燗にする場合は電熱コンロや、固形燃料、ガスコンロのとろ火などで人肌ほどに温めます(電子レンジは使用不可)。ゆっくり温めると酒器の中で対流が起こり、さらに焼酎と水がなじみ、まろやかな味わいと香りを愉しめます。温めすぎると焼酎のコクや香りが変化してしまうのでご注意を。

また、黒ぢょかは水洗いしません。
焼酎の味が酒器に染み込むようにと、使い込んでいくのです。

※前割りは、つくったご自身と同居されているご家族の方のみでお愉しみください。(酒税法:法43条11項による)

熊本県

焼酎文化【球磨地方】お酒をすすめる
たび二杯いただく「かさねて」

熊本県・球磨地方では、相手のおちょこに酒を注ぐときは、一杯では終わらず「かさねて」ともう一杯注いでから返杯させるという風習があります。
つまり、お互いお酒をすすめるたびに、二杯ずつ空けなければいけないということになります。球磨地方を訪れ、地元の方々とお酒を飲む機会がありそうな方は、覚えておくと話題のひとつとして愉しめるかもしれません。

酒器熊本の転がるおちょこ
「ソラキュウ」

先が尖っており、まるでコマのような形をしている酒器「ソラキュウ」。テーブルに置くと、ころりと転がってしまいます。そのため、お酒を注がれたら飲みきるまで置くことができません。
「そら」と差し出されたら「キュッ」と飲み干す。そのことから「ソラキュウ」と名がついたそうです。

さらにユニーク!?

底に小さな穴が空いているソラキュウもあります。
注がれた焼酎が漏れないように指で穴を押さえ、飲み干すものです。お酒好きと言われる熊本人がつくった酒器ですが、飲みすぎには注意したいものですね。

宮崎県

焼酎文化全員の乾杯が終わるまで
続く音「カンカン」!

宮崎に伝わる飲み方に、「爪かんかん」というものがあります。右手で乾杯した盃を飲み干したら、左手の親指の爪を盃に当てて「カンカン」という音を立て、空になったことを示すというもの。その盃を今度は右側にいる人に渡し、全員の乾杯が終わるまで続くそうです。

酒器宮崎のユニークな酒器
「鳩ぢょか」

宮崎には「鳩ぢょか」や「鳩徳利」、「ハト燗」などと呼ばれる酒器があります。徳利が横に寝そべったような形をしており、口の部分がやや上を向き、背の部分に持ち手が。鳩が脚をたたんで座っているように見えることからその名がついたそうです。鹿児島のちょか、もしくは沖縄のカラカラの変形とも言われています。

沖縄県

焼酎文化【宮古島】仲間が集まれば始めたくなる「オトーリ」

「オトーリ(お通り)」とは、親戚や友人、仕事仲間が集まると始まるにぎやかな宴会で、参加者が車座になって座り、泡盛の水割りが注がれたグラスが回され、近況報告や踊りなどを披露して飲み干します。
空いたグラスにはまた泡盛が注がれ、次の人へ。
お酒が強くない方は口をつけるだけでも構いません。参加者全員が親睦を深められる、沖縄県・宮古島ならではの焼酎文化です。

酒器宴会には欠かせない! 
沖縄生まれの「カラカラ」

徳利のような形をしながらも胴部分は丸く、そこに急須のような注ぎ口がついている酒器が「カラカラ」。沖縄から薩摩に伝わった酒器と言われています。北上するにつれて背が高く、胴部分がスマートになり、素材も陶器から磁器に変わって、華やかな色柄ものがつくられるようになりました。

名前の由来

諸説あり、昔のものには小さな陶の玉が入っており、注ぐたびにカラカラと音がしたからという説や、宴会のとき空の酒器を渡すのは失礼なので、中に酒が入っているかどうかカラカラと振って試したからという説も。

また、沖縄では「借りる」ことを「カラ」と言うため、宴席で酒器を回してもらう際に「カラ、カラ」と言ったからとも言われています。