アサヒビール株式会社
青島啤酒股份有限公司と提携関係を強化
〜山東省の煙台啤酒において青島啤酒と資本提携し、
合弁会社『煙台啤酒青島朝日有限公司』へ〜
〜煙台啤酒の事業基盤の強化と収益性向上を目指す
〜
アサヒビール株式会社(本社 東京、社長 荻田伍)の子会社であるAsahi Breweries Itochu (Holdings) Ltd.(本社 香港、以下、ABIH<アサヒビールと伊藤忠商事の中国ビール事業共同投資会社>)と、煙台啤酒集団有限公司(本社 中国山東省、董事長 曲継光、以下、煙台集団)は、中国山東省で展開するアサヒビールのビール製造・販売子会社である煙台啤酒朝日有限公司(本社 中国山東省、董事長 山崎史雄、以下、煙台ビール)の事業基盤強化と収益性向上を目指し、中国の大手ビール会社である青島啤酒股份有限公司(本社 中国山東省、董事長 金志国、以下、青島ビール)と、煙台ビールにおいて新たに資本提携を実施します。日本のビール売り上げNo.1のアサヒビールグループと、中国で圧倒的な地位を築いている青島ビールが提携関係を強化することで、中国内における両社の更なるプレゼンスの拡大を図ります。
ABIH、煙台集団、青島ビールの3社は、本年11月に青島ビールが煙台ビールの 株式の39%を取得することで調印しました。ABIHと煙台集団が持つ株式の各々2%と37%を青島ビールにそれぞれ譲渡することにより、煙台ビールは新たな合弁会社 『煙台啤酒青島朝日有限公司』となります。新会社の株式持分はABIH51%、青島 ビール39%、煙台集団が10%となります。
『煙台啤酒青島朝日有限公司』は、アサヒビール(株)が長年にわたり生産技術の向上を推し進めてきた煙台ビールの製造機能を継続し、販売機能については青島ビールに移管することにより営業活動などの効率化と市場での影響力の強化を目指します。
具体的には、『煙台啤酒青島朝日有限公司』がこれまでの煙台ブランドに加え青島ブランドも製造し、青島ビールが両社のブランドを販売することで、『煙台啤酒青島朝日有限公司』の稼働率は16%向上するなどの業務を効率化します。さらに、青島ビールでは両社のブランドを活用することで商品ラインアップを強化し、販売数量拡大を目指していきます。
中国のビール市場は、2003年には世界一のビール消費国となった以降も、年々成長を遂げており2007年の消費量は1990年比で5.5倍の規模になっています。また、2007年の一人当たり消費量は世界平均の約25Lを上回る約29Lと、1990年比で4.7倍となっています。
中国では90年代後半のピーク時には700社を超えるビール会社があり、各地で中小規模の地場企業が数多く存在する状況で、地域的な広がりがなく物流体制も充分とはいえない環境でありました。しかしながら、近年の経済発展に伴うビールの普及・大衆化が進み、ビールの消費量は急拡大しています。このようななか、外資の世界的な有力ビール会社が世界で最も伸張する中国ビール市場に積極的に参入し、ビール事業拡大のための販売競争が更に激化しています。
青島ビールは、1903年よりドイツのビール醸造技術を採用し、ビール事業を本格展開した中国でも歴史のあるビール会社です。中国国内での販路を拡大するとともに積極的な事業投資を展開し、中国国内で圧倒的な生産量と販売量を保持しています。
一方、アサヒビール(株)は、1994年より中国におけるビール事業に本格参入し、2007年には中国で出資しているビール会社の販売数量が約64万KLに拡大しています。また、アサヒビール(株)と青島ビールとは以前より提携関係を持っており、1997年には、広東省深圳市において合弁企業「深圳青島啤酒朝日有限公司」を設立し、「アサヒスーパードライ」と「青島ビール」を製造しており、「アサヒスーパードライ」は中国国内向けとアジア・オセアニア地区向けに、「青島ビール」は中国国内向けと日本向けの専用商品を出荷しており順調に業績を拡大しています。
煙台ビールは、1920年創業の伝統あるビール会社で、1995年にアサヒビール(株)がABIHを通じ経営権を取得して以来、煙台市を中心に安定した業績を続けており2007年の販売実績は18万KLに達しています。しかしながら、近年の販売競争激化に対応し今後の事業を発展させていくためには、製造部門や販売部門の強化が肝要となっています。
アサヒビール(株)と青島ビール、煙台ビールの3社は、競争が激化するビール市場において、戦略的な関係強化を図り確固たるビール事業の基盤づくりを実現することで、考えが合致しました。
「成長性溢れるアジア地域のリーディングカンパニー」を目指すアサヒビールグループは、今回、中国内で圧倒的な地位を築く青島ビールとの提携関係を強化することで、国際事業の中でも最重点事業である中国ビール事業において、更なる競争力の向上を図ります。