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平成13年4月4日
アサヒビール神奈川工場 環境基本プランのお知らせ
ビール業界で初めて"グリーン電力制度"を活用し、
風力発電で工場使用電力の2割をまかなう
アサヒビール株式会社
 
 アサヒビール株式会社(本社 東京、社長 福地茂雄)は、平成14年5月竣工予定で現在建設中のアサヒビール神奈川工場(所在地 神奈川県南足柄市)のコンセプトを「地球・地域・人との調和を考えた環境創造工場」として、「地球環境保全への貢献」「地域との共生」「快適な環境空間の提供」をテーマに、21世紀に誕生するビール工場として先進的な取り組みを行います。
 特に「地球環境保全への貢献」については、今後日本においても利用拡大が望まれる、自然エネルギーの利用促進・普及に協力・貢献する目的から、今回企業向けにサービスが開始される「グリーン電力証書システム(注1)」をビール業界では初めて活用し、年間330万kwhの電力を風力発電する委託契約を行います(注2)。 これにより同工場は、使用電力の約20%分を、風力エネルギーで発電された電力で、実質的に賄うこととなります。

「地球環境保全への貢献」

 「地球環境保全への貢献」については、環境負荷の低減に向けて当社がこれまで他工場で展開し蓄積してきた施策やノウハウを盛り込むほか、新たなかたちでの環境保全への取り組みを進めます。

◇自然エネルギーの積極活用
  新工場においては、「地球環境保全への貢献」につながる新たな環境への取り組みとして、日本自然エネルギー株式会社と風力発電委託契約を結び、風力によって発電した電力で、同工場使用電力の20%を実質的に賄うこととします。環境問題に対する社会の意識の高まりの中で、環境への負荷の少ない自然エネルギーの社会全体での活用促進・普及が将来に向けて求められつつあります。アサヒビール(株)では、風力発電をはじめとする自然エネルギーの利用の可能性を広げ普及を目指し本年から企業向けに事業展開をはじめる、日本自然エネルギー(株)のグリーン電力証書システムに賛同し、同社に風力発電を委託するかたちで、神奈川工場における自然エネルギーの活用を進めることとしたものです。

 アサヒビール(株)では、神奈川工場での導入状況をみながら、同工場での自然エネルギーの活用比率の拡大や、他工場を含めた企業全体への導入拡大も検討していきます。

◇廃棄物再資源化100%、完全ノンフロン化の実現   
 現在アサヒビール全9工場で達成している「廃棄物再資源化100%」を神奈川工場においても稼働時より実施するほか、名古屋工場で実現した工場内で使用する冷凍機や自販機・冷蔵庫などの冷媒として一般フロン、代替フロンを一切使用しない「完全ノンフロン化」を2工場目として新工場で展開します。

◇ユーティリティ原単位の積極的削減
 当社の工場における省エネルギーおよび二酸化炭素排出削減対策のノウハウを最大限に盛り込み、ボイラー制御の適正化や排熱・排蒸気の再利用により、工場稼働時において、アサヒビールの現工場平均値と比べて原単位当たりで1割強の省エネルギー、C02排出削減を実現する予定です。


「地域社会との共生」・「快適な環境空間の提供」

 神奈川工場では、法定の工場緑地面積率の2倍にもあたる敷地面積の50%以上を緑地とするなど、緑豊かな周辺環境と共生する、アメニティ性溢れる工場として設計します。また、工場の庭園やビオトープとして設けるホタル池、ゲストハウスなどの施設は、地域の住民の方々に憩いの場、環境学習の場として開放することを予定しています。

◇緑地面積率50%以上の緑豊かなアメニティ工場

 新工場においては敷地面積の50%以上を緑地として、緑豊かな周辺環境と共生するとともに働く従業員、来場者の方々に快適な空間を提供するアメニティ性溢れる工場とします。

◇地域社会との共生
 工場に併設された、ビール園、公園、庭園、ゲストハウス等は、地域の方々の憩いの場としてパブリックスペースとして開放します。
 また、小中学生などを対象にした工場見学を積極的に受け入れ、社会科学習に活用していただくほか、工場においてコンサートの実施なども行い、地域の方々に愛され、地域と共生した工場を目指します。

◇ビオトープ・ホタル池の設置
 地域の方々に開放するコミュニティゾーンの一角にせせらぎを設け、かつて工場敷地内に生息し ていたといわれる、蛍の住める環境をビオトープとして再現します。ビオトープは、周辺の小学生の自然観察の場としても利用していただきます。

(注1) 「グリーン電力証書システム」とは、日本自然エネルギー(株)が本年より企業・団体向けにサービスを開始する自然エネルギー利用拡大のための制度です。       
  具体的な制度の仕組みとしては、アサヒビール神奈川工場は日本自然エネルギー(株)へ330万kwh/年の風力による発電の実施を委託し、同社は発電を風力発電事業者に再委託します。再委託を受けた発電事業者が風力発電を行い、その発電量を第三者機関が認証。日本自然エネルギー社は、認証を受けた発電量と神奈川工場との契約量に基づいて「グリーン電力証書」を発行し、風力発電委託とその利用を証明します。
 風力発電された電力そのものは地元の電力会社に販売され、また神奈川工場も従来の供給ルートにしたがって電力を利用するため、風力発電を利用したい企業は新たな設備投資の必要はないうえ、立地上の制約もなく、自然エネルギーを活用することができます。また、風力発電など自然エネルギーによる発電コストは火力発電等にくらべ高く、それが利用拡大の大きなネックのひとつとされていますが、発電事業者は、電力販売収入とともに企業からの委託料収入によって事業を運営し、自然エネルギー発電拡大・普及を進めることができます。

(注2)工場稼働当初から約半年間は風力発電事業者の発電能力が不足しているため、100万kwh/年の発電委託となります。


【アサヒビール『神奈川工場』の概要】
正式名称 アサヒビール神奈川工場
所在地 神奈川県南足柄市大字怒田(ぬだ)字天井1223
敷地面積 約42万u(約12万7千坪)
生産能力 年間15万KL
竣工 平成14年(2002年) 5月 竣工(予定)
施設概要 ビール園を併設したビール工場
設計 株式会社日建設計 安藤忠雄建築研究所



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