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NEWS FLASH
【BOLS BATW、高野勝矢氏インタビュー】

ファイナル迫る! 「ボルス・アラウンド・ザ・ワールド」アジア大陸代表、高野勝矢氏インタビュー。

2010年3月22日(月)、オランダのアムステルダムで、ボルス主催のカクテルコンペティション「ボルス・アラウンド・ザ・ワールド」のファイナルが開催されます。世界6大陸の予選を通過したバーテンダーによるこの「ファイナル・シェイクダウン」に、アジア大陸代表として、京王プラザホテルの高野勝矢氏が選出されました。大会を目前に控えた某日、高野氏に「ボルス・アラウンド・ザ・ワールド」への抱負を語っていただきました。

Q  今回「ボルス・アラウンド・ザ・ワールド」の予選に参加したきっかけは何ですか?

A  そうですね。日本の大会も非常に興味深いのですが、なにより世界のバーテンダーと触れ合える、という点に強く惹かれました。何度か海外のコンペティションに参加させていただいたことがあるのですが、海外の方のアイデアやパフォーマンスはとにかく斬新で、とてもいい刺激になりました。雰囲気も日本の大会とはだいぶ違って、実際に参加してみないと感じられない部分が多くありました。今回も参加するからには勝負にもこだわりますが、それ以上に世界6大陸から参加されるさまざまなバックボーンを持ったバーテンダーの方々と触れ合うことで、新しい何かを発見したり、自分自身のバーテンディングを見直したり、そういう機会にしたいと考えています。また私が世界の舞台にチャレンジすることによって、後輩のバーテンダーたちに多少なりとも刺激を与えられたら、という思いもあります。

グローバル・タッチ
カクテル名 グローバル・タッチ Global Touch

Q  日本の大会と海外の大会の違いは何ですか?

A  私の知る範囲での見解ですが、海外の大会では、はっきりした味わい、主張あるパフォーマンスが評価されますね。日本人の繊細さや微妙なニュアンスなどは、なかなか海外の審査員の方には伝わらないようです。今回の「ボルス・アラウンド・ザ・ワールド」に関しては、まったくはじめての大会なので、海外向けの味わいやパフォーマンスで勝負するか、日本人として自分が培ってきたスタイルで勝負するか、まだ決めかねているところです。いずれにせよ、見ず知らずの海外の大会ですので、周到な準備を心がけたいと思っています。

Q  予選のカクテルテーマは「シェイク1920」と題して、1920年代の文化やアート、社会背景などにインスパイアされています。出品カクテル「グローバル・タッチ」を制作するうえで、どのようなことを意識されましたか?

A  自分なりに1920年代を調べてみると、カクテル文化も含めて、世界の近代化がはじまった年代だということがわかりました。だからといって1920年代を懐古的にふりかえるのではなく、交通や流通が発展したことで、世界のカルチャーが混じり合い、急速なグローバル化が進んだ1920年代の上に成り立つ「現在」という視点に立って、カクテルをつくろうと考えました。

RECIPE


ボルスマンゴー/20ml
ボルスピーチ/10ml
オレンジシュース/30ml
をシェイク、タンブラーに注ぐ。
ボルスラズベリー/5ml
パイナップルジュース/15ml
熱湯/10ml
ゼラチン(粉状)/1g
をゼリー状になるまでシェイク、
フロートさせる。

高野勝矢氏
PROFILE 高野勝矢(たかのかつや)

Q  具体的には?

A  まず、世界中のどんな方が飲んでもおいしいと感じていただけるような味わいを目指しました。ベースとしたのは、ボルスマンゴーとボルスピーチです。特にアジアっぽさやトロピカルなイメージを追求した訳ではありませんが、多くのゲストに気に入っていただけるような味わいを目指した結果、このようなレシピになりました。それから、1920年代のミックスカルチャー感を表現するために、ゼリーと液体という2つの異なるテクスチャーを使用し、異文化が融合・交流するイメージに仕上げました。「グローバル・タッチ」というネーミングにも、異文化の融合・交流という意味合いを込めています。

京王プラザホテル料飲部 オーロララウンジ・リトルベア チーフスーパーバイザー。1972年東京生まれ。高校卒業後、京王プラザホテルに入社。1992年より料飲部配属となり、バーテンダーとして勤務。2000年、第22回HBAクラシック創作カクテルコンペティション グランプリ(運輸大臣賞)受賞。2007年より現職。

Q  制作にあたって苦労された点はありますか?

A  実はいま、苦労しています(笑)。ライト&ヘルシーという意味では現代的なカクテルなのですが、味わいがやさしすぎるのでコンペティション向きではないのかなと……。カクテルの味わいはもちろん、当日のパフォーマンスやスピーチの内容まで、今はとにかく試行錯誤を繰り返しながら、本番に向けてのイメージトレーニングをしています。

Q  大会を主催するボルスの印象をお聞かせください。

A  我々日本人のバーテンダーにとっては、リキュールの定番、あるいは王道といったイメージでしょうか。まずはどのリキュールも色合いが美しいです。それから軽やかな飲み口の割に、フレイバーがしっかりしていることが挙げられます。ですから、非常に使いやすいですね。今大会に参加して改めて感じたのは、やはりオランダというお国柄のせいなのか、グローバルに展開する世界基準のリキュールブランドなんだな、ということです。

Q  最後に、ファイナルにむけての抱負をお聞かせください。

A  大会に参加するにあたって、多くの方からアドバイスやアイデアをいただきました。ホテルという仕事柄、さまざまな国籍のスタッフもいますし、シェフやサービスのプロファッショナルもいます。そういう周囲のスタッフの支えがあって大会に参加できるんだと、改めて実感しています。また世界のさまざまな地域からトップバーテンダーが集まる貴重な機会ですので、いろいろなものを吸収してきたいと思います。そのためにも、まずは自分自身が「ボルス・アラウンド・ザ・ワールド」を心から楽しみたいと思います。

高野氏

リカー・ワールドでは、「ボルス・アラウンド・ザ・ワールド」ファイナルの模様を、現地オランダ・アムステルダムで取材予定。高野氏の活躍も含めて、現地からのレポートをご期待ください。

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