☆ムスリムのおもてなし
先日、墨田区の観光協会の方からこんなガイドブックを見せていただきました。
「ムスリム 食のおもてなし」
墨田区と江東区、中央区の商店街連合会が作成(NPO法人日本ハラール協会が監修)、主に、地元の飲食店の方々に配布されているものだそうです。
昨年、訪日観光客は1,000万人を突破しましたが、その後も増加傾向。
その中で、世界でおよそ16億人ものイスラーム教信者である「ムスリム」の方々への「食のおもてなし」が課題になっています。
というのも、ご存知のとおり、ムスリムの方々には、「ハラール」といったイスラームの教義に則られた食に関する厳しいルールがあります。
例えば、豚肉や豚肉由来の成分を使ったものや、アルコール(みりんなども含みます)が食べられません。
その他、牛や鶏や羊もハラール認証を取った場所で教義に則って処理されていなければなりません。
実は、こういったこと、まだまだ日本ではあまり理解されておらず、ハラール対応のレストランなども少ないとのこと。
また、豚肉の塊が入っていなかったらいい、というわけではなく、
例えば、お菓子などに使われている材料(ショートニングやゼライス)なども豚肉由来のものがあると食べることができないそうです。
そういった商品の表示についても、ムスリムの方が欲しい情報が掲載されていないため、ムスリムの方々は日本での飲食に大変困られている、というのが実情のようです。
このガイドブックには、そんなハラールのことをとてもわかりやすく、
とても丁寧に対応時の注意点などが記載されており、とても勉強になります。
ちなみに、このガイドブックを制作されたシステム会社の株式会社日本SI研究所は、
新入社員にムスリムの人がいたことをきっかけにハラールに取り組むようになり、
現在はハラール関連の食材を通販で取り扱う部門と、
先月には、東京でももっとも外国人観光客が訪れる浅草、その浅草寺の近くに、ハラール対応のカフェ『SEKAI CAFE』をオープンされました。
実際お伺いしたのですが(店内の写真撮り忘れました・・)、
この『SEKAI CAFE』では、ハラールのみならず、菜食やマクロビなどの対応もされていて、
加えて、アレルギーやGMO等々食材情報についても店内やメニューにとてもわかりやすい表示されています。
ハラールや、菜食などといった制限や信念を持たない食生活を送っている身としては、なんとなく大変そうだなーと思っていたことですが、このカフェに来てみると『SEKAI CAFE』と文字通り世界中にはいろいろな食事をする人がいるんだなぁ、ということに気づかされます。
そして、ガイドブックにムスリムおもてなしの3つの心得としても書かれていますが、
まずはムスリムを「理解すること」、それから、ムスリムの方がいろいろなことを判断しやすいように「情報を提供すること」がとても大事だなぁと実感します。
せっかく海外からのお客様も増えていることです。
また、オリンピックに向けて世界により拓かれた国になっていくためにも、日本のあちこちで、様々な国のいろいろな価値観やライフスタイルを持った人々が、一緒に楽しく食事ができるようになるとステキだなぁ☆と思いました。
(ハナコ)
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