食育フェスタのセミナーにて
最近、連日のように報道で食の安全・安心についての話題が取り上げられていますが、先日、全国調理師養成施設協会の主催された「全調協食育フェスタ」に参加してきました。食というとハピ研の研究員Dr.たま、ぶらりあんの研究分野でありますが、私自身も知識の向上のため出席してまいりました。
この食育フェスタは、セミナーと展示会に分かれており、私は主にセミナーに参加し、展示会場へはセミナーの空き時間を利用して、わずかな時間ですがのぞいてまいりました。展示会場では、全国の調理師学校の生徒の作品が並べてあり、コンクールが行なわれておりました。また、企業や県の食育に関する展示コーナーもあります。特にコンクールにおいては、当日に賞が決まることもあり、200を超える作品とともに、見学されている調理師の卵達で会場は芋を洗わんばかりの賑わいようです。残念ながら授賞式は、セミナーと重なるため見ることはできませんが、さぞかし盛り上がったことでしょう。
セミナーについて特に心に残ったことは、食を選ぶに当っては自分の五感を磨くことが大切であるということです。日本の自給率は40%を割っているとのこと。食品の賞味期限が超えると捨ててしまう人もいるかと思います。賞味期限の記載がなかった昔なら、多少日付が経った食品でもまずは臭いを嗅いで舐めてみて、異常がなければ食べていたと思います。自分の五感よりも表示したものに頼ってしまうのは、自分の五感に自信がなくなっているからなのでしょうか。
賞味期限とはメーカーが「この日までであればおいしくいただけますよ」といった期限であって、超えたからと言ってすぐに体の害になるわけではありません。それよりも食べずに廃棄する量が増えると、必要以上の食料を輸入することにもつながり、食料資源の乏しい日本の自給率はなおも減少傾向が止まらなくなります。
また、最後にお話しされたのがハピ研で出版した「吾輩はビールである」の編集・著作をしていただいた東京農業大学教授の小泉武夫先生です。お話の中で、日本人の知恵によって素晴らしい料理が生まれていることを具体例をもって説明していただき、大変興味深く聞かせていただきました。「ふぐの卵巣のぬかづけ」「あけびのなれ寿司」皆さんご存知ですか。
さて私自身、食については今も毎朝自分で栄養バランスを考えて弁当を作ったり、外食時も食べ過ぎに注意を払っているつもりですが、本日の講演された5名の先生方のお話しを聞いて、改めて今後やるべきことがわかったような気がします。大切な日本の食文化を次の世代にしっかり伝えていくこと、そして自分自身も健全な食生活を続けるための知識を習得することを心掛けていきたいと思います。
(所長)
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