バスに乗ってみました
先日所用で麻布の方まで出かけた帰り、近くにバスの停留所があったので、たまには乗ってみようかと思い、渋谷駅行きのバスに乗車しました。バスに乗るのはいつ以来かと考えてみると、地方に行った時や旅行の時には高速バスや観光バスに乗ったことはありましたが、都心を走るバスに乗るのは社会人になって初めてかもしれません。地下鉄の普及もあって、都会ではバスに乗る機会がめっきり少なくなっているのではないでしょうか。
若干のときめきと緊張感を感じつつ、料金はいくらなのか、いつ支払えばいいのか戸惑いながら運転手の方に聞いて無事乗車。空いていたので席に座ろうとしたのですが、これがまた窮屈で座りにくい。「ちょっと失敗したな、地下鉄の方が良かったな」と少し後悔しながら席に座り、いざ出発。道路はさほど混んではいないが、停留所が多いため少し走っては止まり、その度発信の合図をしながら出発をするので、思った以上に時間もかかる。
最初はいやなところばかり目に付いていましたが、窓から外の風景を見ていると気分が少しづつ変化してきました。車で移動する時はほとんど自分が運転手のため、ゆっくり風景を見ながら乗車していることはありません。たまに乗るタクシーも深夜の時が多く、景色を見ることはできません。暇つぶし半分で街並みを見ていると、新しい発見や普段見逃しているものが見えてきます。
バスがちょうど広尾付近の停留所で停止した時、思わず撮ってしまいました。何かレトロチックな雰囲気に包まれた、昭和30〜40年代の香りが漂っている空間がそこにはありました。わずかな停車時間だったので、この空間がどうやら飲食店らしいことぐらいしかわかりませんでしたが、今度ここを通ったら是非寄ってみたいという衝動に駆られました。
昔のバスに比べて、乗降口には階段がないので(ノンステップバス)、老人や身体障害者の方達も乗車しやすく、運転手の方も停止する時には必ずアイドリングを止めて、発信する直前にエンジンをかけ直します。また、都バスでは地球温暖化対策の一環として、一部の車両にバイオディーゼル燃料を使用し、CO2排出量の5%削減を見込んでいるとのことです。お客様のことや地球環境のことを考え、また運転手の方も環境にやさしい運転マナーに心掛けられ、バスは素敵な乗り物だと実感することができました。いつも電車で新聞や本を読んだり、地下鉄では景色も見ることが出来ない環境ですが、バスに揺られながらの移動は、目を楽しませてくれると同時に心まで癒してくれるでしょう。
(所長)
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