下町の居酒屋巡り
先週土曜日、昼間都内で会合があり、その帰り道のこと。その日は、隅田川の花火大会で超混雑している浅草周辺を避けて、帰ろうと思っていたのですが、うちわに浴衣の小奇麗なお嬢さんや、浴衣を着流した、粋な若い衆を見ているうちに、『このまま、帰ってはいけない!江戸の下町の夏を是非体験しなくてはなら〜ん!』という、訳の分からない強迫観念にとらわれ、何故か千住で飲むことになりました。なぜ、花火大会に行かないの?という素朴な疑問はありますが、それはさておき・・・
さて、案内してくれたのは、同じ会合に出席していた、日本酒大好きの知人A氏と、 これまた、粋な飲み方が大好きな会社の先輩。軽く一杯飲んで、お店のお奨めの美味しいものを2、3品つまんで、「それじゃお勘定!」という、実にさっぱりした飲み方をする二人にくっついて、お店めぐりをすることになりました。
ご存知の方も多いと思いますが、千住はまるで迷路の様に路地が入り組んでおり、その界隈のいろんなところに、小さい居酒屋さんが軒を並べています。
その日はまず最初に、串揚げ屋さんで生ビールを飲みながら軽く串揚げをつまみます。件のA氏曰く、「昔この辺りにいたときは、夏は、銭湯によって一風呂浴びてから、ここに寄って、キュ〜ってやってたんだよ!キュ〜ってね。」そうやって語る顔はとってもうれしそう。 「風呂上りに、冷たいビール、おいしい串揚げ。いやぁ〜たまんないですね。」話しながら、三人とも、と〜っても幸せ〜な気分になりました。
ちょっとほろ酔いで、さらに路地をすすみ、A氏と先輩のおすすめの居酒屋へ。 やがて、小さいながらも、人だかりがしているお店の前に。「ありゃ〜。入れないかしら?」と思っていると、ちょうどタイミング良く、3人分場所が開き、お店の中へ。
お店は、土曜の夜というのにお客さんであふれんばかり。 そのお店は、立ち飲みスタイルなのですが、カウンターには小料理屋さん顔負けの料理が並んでいて、思わずつばをゴクリと飲み込んでしまいました。
まず、酎ハイを頼んで、それを飲みながらお料理を品定めします。どれもこれも、とってもおいしそうです。おすすめを2〜3品頼んで、しばらくすると料理が出てきました。
お料理を3人で、一口、二口と口に運びます。三人とも、しばし、無言・・・無言・・・無言・・・ そこで、いっせいに顔を見合わせ、お店の人の方を見て、思わず、「すみません!日本酒くださいっ!」って叫んでしまいました。
日本酒を飲みながら、またまた三人ともニヤ〜っ。
ほろ酔い加減で、帰りに路地を歩いていると、どこからともなく風鈴の音が。「やっぱり、夏の下町はいいよねぇ。日本文化ってやっぱりいいよねぇ」とぶつぶつ話しながら歩いていたら、通りすがりのおばあさんに変な顔で見られてしまいました。
下町の風情いっぱいの千住。皆さんも是非一度訪れてみてはいかがでしょうか?
(Dr.たま)
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