トマトを学ぶ。
「トマト」といえば――大きさの大小はあれど、赤くて丸くて甘酸っぱい夏の味。冷やしたトマトをガブッとかじると、だるさや疲れが和らぐ。――トマトの思い出と一緒に思い浮かぶイメージがあると思います。
カゴメとアサヒビールは今年の2月に業務・資本提携契約を締結しました。ハピ研メンバーもトマトに詳しくならなければと、去る7月4日、栃木県那須塩原市にあるカゴメ株式会社の総合研究所にお邪魔してきました。
那須塩原には研究所と工場がありますが、この土地を選んだのは土壌がトマト栽培に向いているから。アンデス原産のトマトは那須塩原の水はけの良い土地があっているのです。こちらの工場は周囲の契約農家から新鮮なトマトを仕入れ加工している、カゴメ社最大の工場です。ビール工場の場合は水の多い土地が向いていますから、全く違いますね。
お邪魔した研究所は1979年にできたそうですが、総合研究所長の平岡さんによると「当時は突然雷が鳴り、サーッとスコールのように雨が降るのがこの一帯の天気の特徴でした。それが最近はあまり雷が鳴らない。地球環境の変化がココにも出ているのかと思います。」とのこと。新鮮な野菜を扱い農業と密接に関わっている会社だからこそ、気候の変化を肌で感じられるのだなと思いました。
訪問して驚いたのは見学用の温室で育てている様々なトマト。冒頭、自分のトマトのイメージをお伝えしましたが、「これもトマト?」と思うようなものがいくつもありました。例えば葉の香りがきつく触れただけで匂いが付くような野生種のトマトや、江戸時代に日本に伝来したカボチャ型トマト。いずれも観賞用でしたが、初めて見て「へえ〜」と感心するばかり。見たことのあるミニサイズのトマトも皮が薄い品種で食感がよかったり、同じ「絹子姫」というトマトでも色が赤・黄・オレンジとあって味わいも違ったりといった具合。
※写真は「カボチャ型トマト」
また、おいしいトマトを効率よく作るための実験的な温室もありました。普通の土ではなく専用の培地で育ち、やや工場っぽい感じがしたのですが、何故かマルハナバチの巣箱が。効率よく受粉させるためには人力ではなく蜂の力を借りなければ間に合わないそうで、やはり工場ではなく、立派な農業なんだなと思いました。
いろいろ勉強になりましたが、まだまだ知らないことがあります。トマトのことならカゴメ・トマト大学(http://www.kagome.co.jp/style/tomato-univ/index.html)に詳しい情報が載っています。是非一度、ご覧になってください。
温室の外はしとしと梅雨らしい雨が降っていましたが、温室で実った沢山の赤いトマトを見て、少し夏を感じられた1日でした。
(Dr.たま)
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