「食欲は一生の宝」
先週末は「親たちとの食卓メニューシンポジウム」に参加。NPO法人50カラット会議が主催し、「食欲は一生の宝。いつまでも笑顔で食べるために。」をテーマに二部構成で、第一部は医学博士、料理家、管理栄養士による講演と公開討論会、第ニ部は高齢者向けの料理をいただく交流パーティが行われました。50カラット会議は料理家、管理栄養士を中心に、人生80余年を幸せに過ごすための課題と方法を話し合ってきた50代専門家達のネットワークです。いつも仕事でお世話になっていて、いろいろ声をかけていただいています。今月『笑ってごはん』という高齢者向けの料理本を出版されたところです。
高齢者の食事というと「サッパリしたもの」「やわらかいもの」「肉は控えめ」など、ちょっと特別なものを考えがちですが、必ずしもそうではないという話が多く出ました。必要なカロリーは減りますが、必要な栄養はほとんど変わらないのです。他でも聞きましたが、「老人の低栄養」は大きな問題だそうです。「食欲は一生の宝」という言葉良いですね。バランスよくしっかり食べられるのが長生きの秘訣なのではないでしょうか。身近な年寄りでも肉を食べている方が元気だったり、病気で食欲がガタッと落ちても食べられるようになると生き生きしてくるのがよくわかります。
そして、これはなかなか実行が難しいのですが、何より楽しく食べるためには一人より家族と一緒にが理想でしょう。特別なやわらかい食べ物ではなくて、可能な限りみんなと同じものを噛んで食べられるのが食事の楽しみだろうと今回のシンポジウムで感じました。第二部で出された料理はまさにそうした料理で、若い人でも抵抗がなく、高齢者でも十分噛み砕ける、しかし柔らかすぎない、バランスの良く栄養が取れるメニューでした。
メニューの一部をご紹介すると、「ひき肉の千草焼き」「鶏とベビーほたてのコチュジャン風」「いかと油揚げの柚子こしょうマリネ」「金時豆のしょうが煮」「刻みブロッコリーのサラダ」「ごまのブランマンジェ」などなど。
参加された料理家、管理栄養士の方々が、「親が」一生おいしく食べられるために、ひいては「自分が」一生おいしく食べられるために、会場の参加者に言葉とメニューで思いを伝えてくださった――そんなシンポジウムでした。
(ぶらりあん)
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