ハピ研カフェの珍客
研究所には骨董通りに面した大きな窓ガラスがあります。日当たりが良く、外の様子も観察できるので、研究所が入居したときから窓際には打ち合わせ用のカフェ風テーブルを置きました。そのせいか社内外から「ちょっとお茶飲みに来ました」というお客様が突然お越しになります。お茶といっても缶コーヒーのワンダか缶入りのアサヒ烏龍茶をポンと出すだけで極めてサービスは悪いのですが、皆さん適当に時間を過ごしていかれます。(カフェテーブルの上には、ソーラーパワーで動く「ひだまりの民」が常駐してお客様を出迎えます。)
今日は以前からお付き合いのあるお取引先のS氏が「NPOの事務局を始めたから、ちょっと話を聞きに行っていい?」といってお越しになりました。S氏が所属しているのは 『特定非営利活動法人シニアジョブ』 という組織で、「シニアの専門知識・技術・経験を社会に再還元する」のが目的だそうです。――少子高齢化の現代社会にあっていて良い組織じゃないですか!――登録しているシニアの方の専門性を生かして人材のマッチングをしているようですが、さらに発展させていきたいとS氏は志願して今年から参加され、営業で企業を回っているとのことでした。もちろん弊社と何か協働できないかという売り込み話と、もう一つ「この組織をより発展させるにはどうしたら良いか?」のご相談でした。
S氏40代半ばの男性ですが、数年前に病気で半年ほど入院されていました。それまではパソコン販売の会社を経営されていましたが、退院後はそれを退かれました。体調はすっかり復活されましたが、「儲けるだけじゃなくて、社会に貢献したい」気持ちと「自分のように体を壊してやむなく退職した方や、景気が悪い時期に会社を辞めた方の中に、まだ働く能力のある方がいらっしゃる。そういう方々を助けたい。」という考えをもたれるようになり、そこで出会った自分にぴったりの組織に参加し、力を注いでいかれるようです。
結局「ちょっと」の予定が2時間の話になり、いろいろな話題とたくさんのアイデアがでて、さらに夢を膨らませて「話に来てよかった」といって帰っていかれました。自分の考えだけでなく人と意見を交換するのは非常に有意義なことだと、最近ことに実感します。今さらですが、人間はこうしたリアルなコミュニケーションが必要です。S氏が満足そうに帰る姿を見て、私も「話が出来てよかった」と思いました。
(ぶらりあん)
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